母乳が出すぎて困るというママも意外と多くいらっしゃいます。出ないよりいいと思われがちですが、乳腺炎になりやすかったり、勝手に垂れてきて不快だったりと、困ることも多いです。今回の記事では、母乳過多の理由と対処方法をお伝えします。
母乳が出すぎてしまうのはなんで?
ホルモンバランスの影響
母乳を作り出すために重要な役割を果たしているのが「プロラクチン」というホルモンです。出産後、このプロラクチンの分泌が活発になり母乳の生成が始まりますが、時にホルモンバランスが乱れることで、必要以上にプロラクチンが分泌され、母乳が出すぎる状態になることがあります。ホルモンバランスの乱れは、出産後の体がまだ安定していない時期に多く見られる現象で、特に産後数週間は母乳過多になりやすい傾向があります。
授乳や搾乳の頻度
頻繁に授乳や搾乳を行うと、体が「もっと母乳を作る必要がある」と判断し、さらに分泌を促してしまいます。赤ちゃんが頻繁に授乳を求める時期には自然と母乳量が増えますが、特に授乳後に搾乳を行っている場合、体が常に「母乳が必要だ」と勘違いしてしまい、さらに分泌が増える原因になることもあります。
乳房の個別の構造
母乳の分泌量には乳腺の発達も関係しています。乳腺が発達している方は、母乳が出やすくなる傾向があり、少しの刺激でも分泌が増えてしまうことがあります。このような場合は体質的な要因が大きいため、必要に応じて適切なケアを行いながら付き合っていくことが必要です。
母乳過多の解消方法
授乳や搾乳をしすぎない
母乳が出すぎるときは、授乳や搾乳の頻度を見直してみましょう。特に、授乳後に搾乳を行う必要があるかどうか確認することが大切です。乳房が張りすぎて痛みを感じる場合には、少しだけ搾乳して張りを和らげる程度にとどめ、完全に絞り切ることは避けます。体が「これ以上母乳を作らなくても良い」と判断するために、授乳や搾乳の回数を調整することが効果的です。
乳房を冷やしてケア
乳房が張って痛みがあるときは、冷やすことで不快感を軽減できます。冷たいタオルや保冷剤をタオルで包んで乳房に当てることで、炎症を抑えながら母乳の分泌も少し落ち着かせることが可能です。ただし、冷やしすぎると逆に血流が悪くなり、乳腺炎になってしまう可能性もあるため、短時間(5〜10分程度)で行い、様子を見て冷却を繰り返すのが良いでしょう。
食事の見直し
脂っこい食事や糖質の多い食品は、母乳の生成を促す要因になることがあるため、控えることをおすすめします。母乳が分泌されすぎ、うまく出ないことで乳腺炎になる可能性もあります。野菜や魚など栄養バランスの良い食事を心がけることで、母乳の質が上がり、量も適切に調整される場合があります。また、カフェインやアルコールの摂取は母乳分泌に影響を及ぼすため避けることが無難です。
母乳過多による不快感の解消方法
母乳パッドで漏れ対策
母乳が漏れる場合には、母乳パッドを使用することで不快感を軽減できます。母乳パッドは吸水性が高く、乳房が清潔に保たれることでかぶれや湿疹のリスクも減少します。乳房が湿った状態が続くと皮膚トラブルの原因にもなるため、こまめに交換することが大切です。吸水力の高い母乳パッドを使用すれば、日中の不快感を減らし、外出時にも安心して過ごすことができます。
乳腺炎には気をつけよう
母乳が出なくて悩んでいるママもいる中で、母乳が出すぎるというのは、良い悩みに感じるかもしれません。しかし、当事者のママにとってはつらいものです。乳腺炎にならないように注意しながら、授乳をしましょう。
この記事は、民間の保健師が監修を行っており、 医療や健康に関する情報が含まれています。
しかし、この記事の情報は一般的な知識やアドバイスを提供するものであり、必ずしも全ての状況や個人に当てはまるとは限りません。
そのため、この記事の内容を参考にする際には、信頼できる医療機関やかかりつけの医師に確認し、 専門家の指導を受けることをお勧めします。